TCP-IPによる印刷 〜LPR、LPDとは?

どのPCにも1台のプリンタが接続されている、という恵まれた環境にある方以外、
おそらく大多数の方がネットワーク接続されたプリンタ、あるいは
ネットワーク上の別のPCに接続されたプリンタから印刷されているのではないでしょうか。

実はこのネットワークを経由したプリンタ出力(リモート・プリンティング)という形態は、
UNIXやLinuxといったオープン系で培われたものであり、UNIX/Linuxの場合、
実行にはTCP-IPベースの LPRプロトコル (Line PRinter daemon protocol)が用いられます。
(Windowsでは一般的に NetBEUI プロトコルでリモート出力を行ないます)

このLPRプロトコルを通じてプリント要求を行なうクライアントとプリント・サーバー、
もしくはサーバー機能を備えたプリンタが対話してプリンタ出力が行なわれる、という仕組みです。

クライアントがプリンタ出力を要求するコマンドは

LPR(Line Printer Remote)

そのコマンドの受け皿(サーバー側のプログラム)は

LPD(Line Printer Daemon)

と呼ばれます。
さきに述べたサーバー機能を備えたプリンタとは、この「LPDを備えたプリンタ」の意味です。

サーバー+共有プリンタの場合

ネットワークプリンタの場合

LPD搭載プリンタはネットワークに直接、接続できることもあり非常に便利なものです。
まだまだ高価という声も一部であるようですが、ネットワークに非対応のプリンタ
(プリンタポートやUSB接続のもの)とプリンタサーバー(PCサーバー)とを組み合わせた場合を考えると、
むしろLPD搭載プリンタに要するコストのほうが低いかもしれません。

ちなみにオープン系OSに限らず、Windowsでも NT4.0/2000/XP であれば

[スタート]−[アクセサリ]−[コマンドプロンプト]

より LPRコマンドを実行できるうえ、LPD についても Windows CDより
カスタムインストールできるため、TCP-IPベースのプリンタ・サーバーとして利用可能です。
Windows NT4.0/2000/XP への LPD の導入手順につきましては こちら をご覧下さい。