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ブラウザでIBM iのPDFが正しいフォントで表示されない障害について

掲載日:2022/03/03

SpoolライターVer5.0 OntheWeb上でブラウザでIBM iのPDFを表示すると
ブラウザによってはフォントが指定したフォントでは表示されない
という障害報告がいくつか参っておりますので
本件についてご報告申し上げます。

【障害の内容】

・PDF作成時にはフォントをMSゴシックやMS明朝で指定しても
PDFを作成してブラウザ上で表示すると指定したフォントではなく
不明なフォントで表示されてしまう。

[例]
・ブラウザ : Chrome で表示したPDF

  ・これをPCに保存して再表示すると正しく表示される( Acrobat Reader )

 ・この障害を発生しているブラウザ

Chrome
Edge
Firefox

・障害なく正しくPDFのフォントで表示されるブラウザ

Internet Explorer 11 + Adobe Reader

【原因】

[原因] ブラウザがPDF組込みのフォントを無視して自分のフォントで表示するからです。

[詳細] PDFには正しいフォントの名前が組み込まれていますがブラウザのに付属している
PDFビューアーがPDFのフォントを無視してブラウザ独自のフォントで表示しているためです。
そのため一旦、PCのHDDにPDFファイルとして保存して再表示すると拡張子PDFに関連づけられた
アプリケーション(=Acrobat Readerなど)で表示されるためPDFに埋め込まれている
フォントで表示されるようになります。
ブラウザがPDFに記載されているフォントを無視するのはPDF内記載のフォントが
そのPCに含まれていない場合にPDFの文字が表示できなくなってしまうために
フォントの有無をチェックせずにPDFノフォントを無視して自分のフォントを優先して
使用するような仕様にしたためであると思われます。
本来は指定フォントがPCにあるかどうかチェックして存在しないときだけに
自分のフォントを使用するようにすべきでした。

【解決方法】

・解決するには次の3種類の方法があります。

(1) PDFにフォントを埋め込む

PDF自身にフォントを埋め込んでおけばブラウザのPDFビューアはフォントがあることを
確認して自分のフォントではなくPDFのフォントを使って表示するようになります。
しかしPDF自身にフォントを埋め込むとPDF自身の容量は拡大されて莫大なサイズに
なってしまいます。
PDFにはフォント名を指定できるような仕様になっておりそれによって
あらかじめ導入されているフォントで表示することが本来の効率的な仕様ですので
SpoolライターVer5.0では今のところフォントをPDFに埋め込む計画はありません。

(2) ブラウザの設定を変更する。

ブラウザの設定を変更してPDFはブラウザ上で直接表示するのではなく
PCにダウンロードして保存するようにすればPDF拡張子に関連づけられた
アプリケーション(=Acrobat Readerなど)で表示されるため正しいフォントで
表示されるようになります。

[例] Chrome で設定を変更するには

【セキュリティとプライバシー】-【サイトの設定】-【その他のコンテンツの設定】-【PDF ドキュメント】-【デフォルトの動作】

で次の画面で設定をダウンロードに変更してください。

(3)理解してそのまま運用

   (2)でいちいちダウンロードするのはやはり面倒な作業になるので
製品の障害ではなくブラウザの一時的な表示まちがいであることを理解して
そのままで運用を継続する。

現実的にはこの(3)が最も妥当な解決と思われます。

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