サポート情報

新製品 the WINDOWSライター発表

掲載日:2019/10/25

新製品 the WINDOWSライター を発表致します。

the WINDOWSライターとは

IBM i からWindowsプリンタや複合機への直接印刷を可能にする

ソリューションです。

IBM iの印刷イノベーションとなる新製品を発表致します。

2020年1月のWindwos7サポート終了に備えて

これまで ASCIIプリンタへの印刷といえばプリンタ・セッションと呼ばれるクライアントPCへのモジュールの導入が必要でした。IBM i とWindowsとのあいだにゲートウェイとして間接的なソフトウェアが必要であったのです。

しかし時代は

  • Windows10問題 ....... IBM によるiAccessの打ち切り発表
  • Java有償化問題 ....... OracleによるJava使用の有償化
  • PDT移行問題 ........... ACSのPDT移行の不具合

の問題が発生し 2020年1月には Windows7サポート終了が予定されておりこれらを解決するソリューションの開発が急務となっていました。

つまり IBMが iAccessを終了させWindwos10対応を止めたのに
後継として指名されたIBM ACS では Java有償化問題が発生しただけでなくプリンタ・セッションのPDTがACSに移行できずおまけに罫線も印刷できない、などと問題ばかりを抱えていることになりました。

㈱オフィスクアトロではこれらの切迫した問題を解決すべく総力を挙げて取り組んで参りました。この解決がなければ業務の停止もあり得るとの危機感から国内法人の問題解決を最大の目標として開発を行って参りました。

新製品 the Windowsライターはこれらを根本から解決するイノベーションです。

開発コンセプト
IBM i から Windowsプリンタ・ドライバへ直接印刷。
the Windowsライターの3つの印刷機能
大きく分けて3つの印刷機能があります。

the Windowsライター

GDI印刷
SCS印刷スプールをMicrosoft仕様のスプール(MS-EMF)に変換してWindowsの共有プリンタの通信(SMB)によってWindowsフリンタ・ドライバに直接印刷します。
PDT印刷
既存のプリンタ定義テーブル(PDT)の仕様に従ってSCS印刷ストリームを各プリンタ・メーカーの印刷ストリームに変換してWindowsフリンタ・ドライバに直接印刷します。
LPR印刷
PDTに従ってプリンタの仕様に適合する印刷ストリームをLPRで直接、プリンタに転送して印刷します。Windowsの介在を全く必要としません。
GDI(=Graphic Device Interface)印刷

このように Windowsプリンタ・ドライバに直接働きかけて印刷することを「GDI印刷」と呼びます。どのようなプリンタもWindowsのスプール型式(MS-EMF)をサポートしていますのでこの方法で、すべてのプリンタで印刷することが可能となります。

この方法で、すべてのプリンタで印刷することが可能となります。

またIBM iの5577系の印刷はこれまで文字ベースだけの印刷でしたがGDI印刷は文字、バー・コード、QRコード、図面、写真、画像イメージまでの印刷をサポートしていますのでSCSストリームへ画像データなどを埋め込むことによってIBM iの印刷機能を大幅に拡張することができます。

さらにプリンタの用紙サイズ、方向、両面印刷、トレイなどの指定もできるようになります。GDI印刷はIBM iからの直接印刷というだけでなく印刷機能を大幅に拡充することができるのです。

プリンタ定義テーブル(PDT)による印刷

既存のプリンタ定義テーブル(PDT)を IBM iの IFSに配置してPDTに従ってSCS印刷ストリームをプリンタ・メーカーに適合する印刷ストリームに変換して印刷することができます。GDI印刷を使えば基本的にPDTは必要なくなりますがこれまで

  • RPG/COBOLで印刷制御コードを出力していた
  • PDTを独自にカスタマイズしていた

の場合ではやはりPDTによる印刷を継承する必要があります。このような場合にもPDTによる印刷がサポートされていますので今までどおりPDTによる印刷を行うことができます。

TELNETによる印刷もサポートされていますので今までの印刷装置記述をそのまま使って印刷することができます。

LPRによる印刷

PDTによる印刷はSMBプロトコルを利用していましたがPDTをLPRによって直接、プリンタにスプールを配布することができます。それがこのLPRによる方法です。このLPRによる印刷方法ではプリンタとのあいだにWindowsさえ介在することが全くありません。スプールは直接プリンタに送られます。

PDT変換をIBM iサーバー・サイドに移したからこそ、このWindowsを使用しない直接印刷が可能になったのです。もちろんAPW罫線、倍角印字および外字の印刷までもサポートしています。

私達はWindowsの介在さえ要らない、という数多くのお客様のお声をこれまで耳にしてきました。ようやくその技術が結実したのです。

LPRだけでは直接印刷はできません。そのため、これまではスプールをPDF化してLPRで転送するという手法もありましたが、それではPDF印刷が可能な高価なプリンタだけに限定されてしまいます。各プリンタの仕様のストリームをLPRで送ることによって初めて直接印刷が可能となるのです。それが今回のLPR+PDTによる印刷です。

業務に応じた使い分け

既存のPDTをそのまま生かしてプリンタ・セッションを廃止したい
=>PDT通信なら印刷制御装置もそのまま使えます。
PDTでLPRが使えるプリンタならさらに
=>LPR通信ならWindows PCも必要ありません。プリンタに直接印刷ができます。
PDTメーカーでないプリンタに印刷したい
=>GDI印刷ならどんなプリンタにでも印刷できます。
PDF印刷をサポートしていない複合機にも印刷
=>複合機はLPR印刷をサポートしています。
LPRのサポートのないラベル・プリンタのセッションを廃止したい
=>GDIに置換えれば印刷できます。
どのような用紙サイズにでも適合する印刷がしたい
=>GDI印刷であれば用紙サイズフォント・サイズが自動的に計算されて、めいっぱいに広がるように印刷されます。

直接印刷を可能にした5つの大きなテクノロジー

IBM iからの直接印刷というシンプルな課題を実現するためには ㈱オフィスクアトロがこれまで培ってきた技術にさらに次のような新しい高度な技術が基盤として必要でした。

TELNET通信
TELNET通信プロトコルによってIBM iのSCS印刷スプールを取得します。
IBM iスプールをMicrosoft仕様のスプールに変換
IBM i のSCS印刷ストリームをMicrosoft仕様のスプール型式(MS-EMF)に変換します。(Microsoft公開仕様による変換)
プリンタ定義テーブル(PDT)による印刷
プリンタ定義テーブル(PDT)をIBM iのIFSに配置するだけでこれまでのPDT印刷を継承することができます。IBM i内部ではサポートされていないJIS変換も実現しました。
Microsoft仕様の通信プロトコル(SMB)で共有サーバーと通信
Microsoft仕様の通信(SMB)でWindows共有サーバーにスプールを転送してWindowsのプリンタ・ドライバを使って印刷します。

SMBは IBM i でも /QNTC(NetClient File System)として知られている通信技術です。IBM iにも Samba とうオープン・ソースで提供されています。IBM は共有ファイル・プロトコルまでしかサポートしていませんが㈱オフィスクアトロは共有プリンタとの会話にまで通信を拡張しました。

LPR通信プロトコルによって直接プリンタにスプールを配信
LPR(=Line Printer Daemon Protocol) および LPD(=Line Printer Daemon)とはUNIXのプリンタ制御のためのプロトコル(通信手順)です。㈱オフィスクアトロでは早くからSpoolライターVer5.0で LPRの実績を積んで既に多くのお客様にご利用頂いています。LPDをサポートしているプリンタであればIBM iからLPRを使って直接、印刷スプールを送ることができます。

これらは容易に実現できる技術ではありませんでしたがお客様の問題を解決するために総力を挙げて取り組んで参りました。

機能と利点

お客様が得られる利点は数知れずあります。製品の機能は㈱オフィスクアトロがこれまで築き上げてきた技術がいたるところで適用されており品質の向上はもちろんお客様の利点となる機能が数多く組み込まれています。

プリンタ・ドライバさえあればどのようなプリンタや複合機にでも印刷が可能 !!
LPR/LPDではプリンタにLPD機能やPDF印刷機能のある一部の高機能なプリンタにしか印刷することができませんでしたが the WINDOWSプリンタを使えばすべてのプリンタに印刷することができます。

複合機にも印刷できるというのはLPR/LPDやPDF印刷機能を持つ高度なプリンタに限られています。

Windows10問題、Java有償化問題を一気に解決します。
Windowsには何も導入しませんしJavaの使用もありませんのでWindows10問題やjava有償化問題は一切発生致しません。Windows7, 8.1および Windows10にも対応済みです。

Javaを使わないからといってPCにこれまで同様にモジュールを配布する方法は問題の解決にはなりません。またWindowsのアップグレードの影響を受けるからです。

PDT移行問題も解決します。
プリンタ定義テーブル(PDT)を変更や移行もせずにそのままIFSに配置するだけで PDT印刷を継承して印刷することができます。関連する RPG//COBOLも変更の必要はありません。

プリンタ定義テーブル(PDT)のほとんどが日本国内のプリンタ・メーカを対象としたものです。したがってIBM ACSでは日本製のプリンタに対応が遅れているのではないかと予想されます。

安心のIBM i動作保証
㈱オフィスクアトロ製品は輸入製品ではなく自社での開発製品です。IBM i Ver6.1~ 7.4までのOSリリース実機での実際の動作テストで保証された製品でありお客様と同じ動作環境をすべて社内で揃えて検証していますので安心してご使用して頂くことができます。
今のTELNET印刷装置がそのまま利用できます。
既存のTELNET印刷装置をそのまま利用して印刷しますので何も変更する必要がありません。プリンタ・セッションを少しずつ段階的にthe WINDOWSライターに移行することができますので安全かつ安心でご利用して頂くことができます。

今までのプリンタ・セッションとthe Windowsライターとの混在利用が可能ですので本番中であっても少しずつ移行することもできます。

APW印刷罫線や倍角印字にも対応しています。
罫線印刷は日本語の印刷環境にとって非常に重要です。IBM ACSでは罫線は印刷できませんが the WINDOWSライターはAPW罫線や倍角印字も印刷することができます。

海外の書類は日本国内のように印刷罫線を使って表現する習慣がほとんどありません。したがってIBMを初めとする海外製品では罫線がサポートされないのです。

外字の印刷もサポート
GDI印刷、PDT印刷、LPR印刷のどの場合でも外字も印刷ストリームの中に自動的に埋め込まれて印刷されます。外字をクライアントPCなどに配布する必要もありません。
用紙サイズ、方向、トレイ、両面印刷、フォントの選択など細かな指定が可能
用紙サイズなどの細かな印刷指定も可能です。装置毎にどのように印刷するかを設定しておくことができます。

PDT印刷はこれらの対応していない場合があります。

フォント・サイズ自動調整(ダイナミック・アジャスト)機能によりどのような用紙サイズ方向にもスブール毎に用紙に適合した印刷が行われます。(GDI印刷)
これまでのプリンタ・セッションではできなかった用紙サイズへの適合機能です。指定した用紙サイズと方向に対して印刷が用紙いっばいに広がって印刷されます。印刷データをすべて読み取ってから最も最適なサイズとなるようなフォント・サイズを計算して決定します。大きな用紙には大きなフォントで小さな用紙には縮小されたフォント・サイズで印刷されます。
プリンタ・メーカーを問いません。
これまでのプリンタ・セッションのように相性の良いプリンタを選択する必要がありません。プリンタ・ドライバさえあればラベル・プリンタや複合機にも自由に印刷することができます。直接印刷ができるからこそプリンタを問わずに自由に印刷できるのです。
配布の手間が一切、ありません。
当たり前のことですがサーバー一括集中管理なので多くのクライアントに配布したり導入や保守の手間も一切、必要ありません
国際言語への対応
Microsoft仕様のスプール: MS-EMF はUnicodeで構成されています。このことを活用するためにも印刷スプールのCCSIDとなる基盤を判別して国際言語としてのUnicodeに変換されます。日本語、英語、中国簡体字、中国繁体字、韓国語 に対応していますがご希望の言語に対応することも可能です。(GDI印刷)ホスト・コード・ページを指定することもできます。

PDTによる印刷はJISコードのため 国際言語には対応していません。

サブ・スクリプション方式でコスパなお支払い
ご使用になるときだけのお支払いで初期費用も必要ありませんので無駄のないコスパに優れたお支払いです。ヘルプ・デスクによる導入および運用支援プログラムも用意されています。
クライアント数やモデルの制約もなし
ありがちなクライアント数単価制やIBM iのモデルによる価格制もありません。どのようなモデルでもどのようなクライアント数があっても自由にお使いください。

the WINDOWSライターはIBM iの印刷業務を大きく改革致します。IBM iもこれで手軽にWindowsプリンタをネットワークに接続して印刷することができるようになりました。

セミナー開催

㈱オフィスクアトロでは Windows10問題やJava有償化問題、PDT移行問題の解決に特化したセミナーの主要都市での開催を決定しております。各開催地では一度限りの開催となりますのでこの機を逃さず奮ってご参加ください

申し込み受付は既に開始しております。毎度、満席のお申し込みになりますのでお早めのお申し込みをお願い致します。

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