お知らせ

2019年はこんな年に

掲載日:2019/01/15

新 OS の発表

2019 年は春に IBM i の新しいバージョンが発表&出荷になると予想されます。
i5/OS Ver8.1 が PowerSystems も Power10 搭載になるかも知れません。
弊社は 2018 年に新しい PowerSystem を導入したばかりですが
Ver8.1 が出荷されれば現在の LPAR に導入をする予定です。

ソフトウェアでは Node.js, Node-RED や Python も IBM i に導入されましたが
不足しているのは IBM Watson との API です。
新しい i5/OS のリリースで Watson との連携があるかどうか注目されます。

弊社でも GUI 環境の IDE による RPG/C 言語の開発を始める予定です。
SEU や PDM による開発から今年は大きく変わる節目の年にしたいと思います。

Win10 問題と Java 有料化問題

2019 年は 1 月より早々に大きな問題に見舞われます。
IBM が iAccess を Windows10 以降のサポートを打ち切るとアナウンスしたのが
Win10問題ですが後継として Java ベースの ACS(=Access Client Solutions)を
示しましたが IBM ACS は機能的に多くのバグや印刷ができなかったなどの
問題がありました。
さらに追い討ちをかけるように Java の提供元の Oracle が 2019 年 1 月からの
Java の有償化を宣言したのです。
おまけに古い Java のサポートを打ち切るとアナウンスしました。
これによって多くのクライアント数を抱えているユーザーでは
Java への支払い料金が莫大なものになってしまう可能性が出てきました。
加えて Java を使う限り Oracle 社の方針の変更に左右されてしまうという
不安が出ています。
今後は Java 製品は嫌がられて間違いなく衰退の道を辿ることになるでしょう。
IBM i ユーザーは IBM ACS を捨てて新たな安定した 5250 エミュレータを
求める急速な動きが出ています。

さらに Java の有料化問題は eclipse にも影響を与えるでしょう。
IBM RDi (旧 WDSc ) は Java による eclipse をベースにしていますので
Java の有料化問題の影響を受けることになります。
eclipse による RDi は相変わらず動作が遅いので国内での普及は
ほとんどありませんでした。
RDi の後継として orion というサーバー・サイドだけで動作する
開発ツールも OS Ver7.3 に導入され弊社でも動作させてみましたが

orion の問題点
  • 初期値では RPG サポートがないので自分で組み込まなければならない。
    したがって orion をある程度学習してからでないと使えない。
  • 対象となる RPG ソースは IFS 上の保管となり既存の RPG 開発には
    使えないのは致命的。
  • RPG の構文検査の機能がほとんどない。

orion はこのように参考出品という程度で RDi より機能的に
かなり劣っていてよほどのマニアでも SEU に代わって使う人は
いないと思われます。
一方、弊社では RDi も試供版を導入してみましたが次のような問題がありました。

  • eclipse( Java )ベースなので有料化の影響を受ける可能性がある。
  • 動作が重く最新の Windows のスペックでも快適とは言えない。
  • ソースを選択するツリー・ビューにコマンドやオブジェクト、ライブラリーリスト
    などが組み込まれているが開発用としてはあまり意味をなさない。
    無意味なツリー・ビューは何に使うのかという印象を与えてしまう。
  • 既存の RPG の編集は RPG ソースだけの編集に留まっている。
    プロジェクトとして RPG + DSPF + PRTF や使用中のファイルも同時に参照
    できる機能がないと SEU に戻ってしまう。
  • 印刷スプール(コンパイル・リスト)を調べる機能がない。
  • IBM 特約店によると RDi はほとんど売れていないそうです。
    RDi は全体的に RPG や COBOL の開発経験のない人が開発した IDE のように
    見えます。意味のない組合せのため見難く扱いにくい印象を受けるので
    熟達した IBM i 開発者のとっては扱いにくく初心者にとっては
    わかりにくい構造になっているのでどちらの層にも受け入れられないのでしょう。

AutoWeb 2019

これらの Win10問題と Java 有料化問題を受けて注目を集めているのが AutoWeb
SpoolライターVer5.0 です。
特に AutoWeb は IBM ACS に今すぐ代わるソリューションとして注目されています。
WindowsPC には何も導入する必要がないだけでなく DDS を少しいじるだけで
Web 化も行えるというのも魅力的なようです。
データ転送まで移行できるのは AutoWeb だけです。
つまり Win10問題や Java の有料化問題を一挙に解決するだけでなく
Web 化までの希望が叶うのですから理想的であると言えます。

今のところ IBM ACS に代わる 5250 エミュレータで実用性のある製品は
見渡しても AutoWeb しかありません。
aXes などの海外輸入製品は残念ながら導入してみると使い物にはならないのが
実情であり現実です。
その意味で AutoWeb の果たす責任は大きなものとなります。

AutoWeb 2019

AutoWeb は今年はいよいよ開発環境も GUI ベースになり
今までの SEU による開発から大きく前進致します。
特に 5250 ハンドラーの開発が GUI ベースの SDA になるなど
開発手法が大幅に進化します。
IBM i 開発の変革の年になるでしょう。
加えて機能はますます拡大される一方パフォーマンス
向上が図られることでしょう。

  • データ転送アップロードの実現
  • キー・ボード・マップの搭載
  • パフォーマンスの強化
  • 音声認識モバイル
  • GUI ベースの IDE(開発環境)の発表
    ( SEU に代わる GUI 開発と SDA に代わる GUI 開発操作 )

SpoolライターVer5.0 2019

Win10問題と Java 有料化問題の影響を受けるのは SpoolライターVer5.0 も
同じです。
プリンター・セッションの廃止の問題があるからです。
国内で販売されている多くの電子帳票化ソリューリョンは
PDF 化のみの機能だけで印刷機能は持ち合わせていません。
SpoolライターVer5.0 だけがネット・ワーク・プリンターや
複合機への印刷もサポートしています。
モバイル・プリンタへの IPP プロトコル印刷をサポートしているのも
他社ではありません。
SpoolライターVer5.0 のユーザーでは導入するや否や早速、複合機などへの
印刷に切替えているのはめずらしくありません。
電子帳票化から印刷ソリューションが注目される年となるでしょう。

SpoolライターVer5.0 2019

Spoolライターの印刷機能も拡張され、既存の印刷ファイルの編集などの
開発環境そのものも GUI 環境に移行します。
印刷ファイル( PRTF )の設計や変更も GUI ベースの IDE となり
開発手法の大きな変革の年になるでしょう。

  • QR コードの印刷出力
  • IPP プロトコル印刷の強化
  • パフォーマンスの強化
  • GUI ベースの IDE(開発環境)の発表
    ( SEU に代わる GUI 開発と RDA に代わる GUI 開発操作 )

GUI ベースの統合開発環境( IDE )の eStudio2

AutoWeb はエンド・ユーザーのための実行環境で動作しますが
開発環境を目的とはしていません。
( もちろん AutoWeb は開発環境でも動作しますが )
5250 ハンドラーの普及とともに GUI ベースでの統合開発環境( IDE )が
望まれるようになってきました。
いつまでも SEU による開発では新しい新入社員や次世代の人に
受け入れられないばかりか開発効率の進展も望むことはできません。
しかし RDi や orion は IBM i の開発に向いていないことは
普及率の低さを見れば明らかです。
そこで IBM i の開発者にとって本当にわかりやすく使い勝手も良く、
価格も手ごろな開発ツールが待ち望まれています。
GUI-IDE 開発環境の利用は現在の開発効率を高めるだけでなく
RPG 開発者の退職などに伴う人手不足の解消や若手新入社員にとっても
扱いやすいツールとなるでしょう。

IBM SEU

機能的であるが限られた環境での文字ベースの編集ツールであるため
Windows エディターに慣れているユーザーには扱いにくく操作を覚えるのに
時間がかかる。そのため新入社員には扱いにくい。

RDi

高価で扱うにも複雑。SEU 開発に慣れてきた開発者には不向き。
かと言ってオープン系の開発者にも扱いにくい。
これは IBM i 独自の機能を無理やり意味なく入れているため
IBM i に精通している人にも扱いづらくなっている。
そのため新入社員やオープン系の技術者のどちらにとっても
扱いにくくなってしまっている。
RDi のユーザーは全国でも例を見ない。

Microsoft VisualStudio

わかりやすく扱いやすいが RPG/COBOL の開発はできない。
ただしいくつかの関連するソースをひとつの「プロジェクト」として
まとめて管理する手法は開発に適した考え方で評価できる。

eStudio2

従来の株式会社オフィスクアトロの eStudio を再構築した全く新しい IDE を備える
開発プラット・フォームを eStudio2 として開発致します。

RDi のパースペクティブの上に VisualStudio のプロジェクトの構造の
概念を導入して既存の RPG/COBOL/C 言語の開発をグラフィカルに行えると
いう開発ツールとして登場する予定です。

eStudio2 は

  • Web ベースの開発 IDE で社内で多くの開発者で共有使用が可能。
    開発パースペクティブは RDi に準拠している。
    ( Web ベースなので PC クライアントへは何も導入する必要は
    ありません。)
  • Wizard 機能を備えてアプリケーションを社内テンプレートで
    生成することが可能。( VisualStudio の機能を採用)
  • RPG/COBOL の単体の編集だけでなく + DSPF/PRTF + DDS + ...を
    ひとつのプロジェクトとしてまとめてワーク・スペースに
    オープンして管理する。(VisualStudio の利点を採用)
  • ソース編集するワーク・ベンチは文字カラーで見やすく編集が可能。
    (RDi, VisualStudio に準拠)
  • 既存の社内ソフトウェア資産を容易に検索して技術の再利用が可能。
  • Web 開発に対応し HTML や JavaScript の編集や表示も可能。
  • ライブラリー環境、IFS 環境、Shell 環境の三つの環境をサポート
  • SDA や RDA に代わるグラフィカルな画面デザインや帳票デザインを
    サポート
    ( RDi の方式に準拠。ただし RDi は 80 桁までしか編集できないが
    eStudio2 の画面サイズは無制限)
  • 組込み 5250 エミュレータ機能による実行が可能。
    ( 既存の AutoWeb の機能を利用 )
  • コンパイル・エラーを対話式で修正が可能。
  • 対話式のソース・デバッグが可能。
  • IBM Watson Discovery によるすべての IBM マニュアルの検索が可能に
    なります。
    eStudio2 は開発プラットフォームに AI が組み込まれた初めての例と
    なるでしょう。
    最初はマニュアル参照だけの AI ですが将来はコンパイル・エラーの
    回復やデバッグも AI で可能になるでしょう。
  • 5250 エミュレータ上から eStudio2 の起動が可能。

eStudio2 は RDi の IDE に準拠し、VisualStudio のプロジェクト概念をサポートし、
さらに AI ( =Chao!! Powered by IBM Watson Discovery )による IBM マニュアルの
日本語検索など最新の AI 技術が組み込まれる予定です。
これらの最新の技術を組み合わせることによって新入社員からベテランの技術者に至る
まで快適で効率のよい開発環境を提供します。

www.as400-net.com サイトのリニューアル

IBM i の技術サイト: as400-net.com は WordPress 化として大幅に
リニューアルを予定しています。
メンバーはログイン状態を保持してログインを繰り返す必要もなくなります。
また弊社が用意した IBM Watson 連携の Chao!! を使って RPG や COBOL の
マニュアルを無料で 日本語検索できるようになります。
メンバーは IBM i の開発の効率が大幅にアップ致します。

同時に開発の方法も GUI ベースによる IDE( =開発環境)への進化によって
今までの SEU や PDM による開発から大きく変革します。
メンバーに対して RPG を GUI ベースの開発環境での開発に移行できるよう
指導と教育を行っていきます。
as400-net.com のメンバーには大きな変化の年になるでしょう。

新年号への変更

多くの一般企業は IBM i を西暦で運用しているので問題はありませんが
官公庁への仕事が多い企業では和暦で運用している法人もあります。
システム日付を和暦で運用していると当然のことながら年月日データの問題が
発生します。30 年ぶりに問題が顕在化する企業もあるかも知れませんので
注意してください。

AI のビジネス活用

2018 年では AI で社会が変わる夢のような話が多く続いていました。
2020 年には空を飛ぶ自動車がまちがいなく東京オリンピック会場の上を
舞うでしょう。
情報システム部門もデータ処理だけでなくビッグ・データの解析を
経営者層やエンド・ユーザーから迫られることになるのは
まちがいありません。
彼らは IBM Watson の利用を求めてくることになります。
情報システム部門も AI の利用を現実として考えていかねばなりません。
AI の早急な準備が必要な年となります。

セミナー開催

株式会社オフィスクアトロの開催する発表セミナーは 2019 年度も引き続き開催致します。
東京・大阪・名古屋を中心とした開催を予定していますが
あっと驚く地方での開催もあるかも知れません。
セミナーの内容は毎回、進化して異なりますので前回、ご出席された方も
ぜひご出席ください。
また 2019 年のセミナーでは製品紹介だけでなく皆様にお役に立つ
IBM i の技術セミナーも併せてご紹介致します。
GUI 環境の IDE による開発環境の使い方をご指導していきます。
さらに併せて時代の最先端技術をわかりやすくご説明致しますので
ぜひスケジュールを調整の上、ご出席ください。
2019 年のセミナーではユーザー事例紹介や IBM i の最新情報の紹介など
バリエーションが豊富になります。

10%消費税への増税

2019 年の 10 月には消費税が現行の 8% から 10% へとアップされます。
消費税の還元対応が必要であれば IT 関連は忙しくなりますが
企業法人への影響は少なそうです。
しかし 8% から 10% への変更は税率の書換えだけでなく
BackDate( =遡って修正)が迫られる可能性のあるシステムでは
準備が必要となります。
高額な買い物で駆け込み需要があるかも知れません。
PowerSystems も秋移行に購入する計画なら消費税が導入される前に
導入しておこうという動きになるでしょう。

-- 2019年は

政府は 4月 1日に新年号を発表すると公示しました。
4月は IBM i の新しい OS バージョンも発表される見込みです。
10月には消費税のアップも予定があります。
ということは企業法人 IBM ユーザーは 4月~10月までに
IBM i ( PowerSystem )のリプレースを予定するのではないでしょうか?
その前に 5250 エミュレータを選定しておく必要があるでしょう。
この機に AutoWeb であればインターフェースを Web 化することが
できます。リプレースと Web 化を同時に行う良い機会であると
思います。