あなたは最近ユニクロで買い物をしたことが
ありますか?
商品をいくつかまとめてレジに持っていっても
最近のユニクロでは店員はいません。
しかしセルフ・レジに商品をドサッと積むだけで
精算金額が表示されます。
商品のバー・コードを読取ったりする手間はありません。
これがRFIDです。
■ RFID とは
RFID(=Radio Frequentry Idendification)とは
薄いICタグを商品に予め包装しておいて
それをレジで無線を照射してICタグは埋め込まれている
IDをまた無線でRFIDリーダーに電波で戻すという
仕組みのことです。
受取ったデータをサーバーに転送して精算作業が
開始されます。
ユニクロの精算でわかりますように
RFIDではひとつひとつの商品のバー・コードを
読取ったりししません。
例えばRFIDが埋め込まれた在庫の山に
RFIDリーダー・ガンを振ってかざすだけで
数秒もあればすべての在庫を読取ることができるのです。
未精算の商品を店外に持ち出そうとするとブザーを
鳴らして知らせます。
■在庫管理が変わる?!
その昔ではAS/400から棚卸しタグを印刷発行して
それを在庫管理の担当者が一枚ずつ在庫に張ってゆき
棚卸しの当日までにタグに実地棚卸数を記述していきました。
私も若いときにそのような棚卸しのシステムを会社で
作りました。
棚卸しの当日には棚卸しタグを集めて棚卸数を
手入力して在庫数を集計します。
このような途方もない作業が必要であったのです。
棚卸しの当日は入出庫は停止され業務も停止します。
棚卸しには相当の人手を必要としていました。
在庫はもう数えない。ガンを振るだけ
しかしRFIDを使うと倉庫に行ってRFIDリーダー・ガンを
一振りするだけで在庫が正確にわかってしまいます。
商品が見えない奥の棚に隠れているものも
漏れなくカウントすることができます。
将来はRFIDのない倉庫など考えられなくなるでしょう。
■ バー・コード・リーダーの先を行く優位性
バー・コード・リーダーによる在庫読取りは一品ずつの
手作業による読取りであるのに比べて
RFIDでは先ほども説明したようにRFIDリーダー・ガンを
一振りするだけです。
いかに短時間でのしかも正確に把握できることが
バー・コードよりはるかに優位性があることがわかります。
商品の在庫の山の後ろに隠れている在庫も漏れなくカウントすることが
できます。
ラベルの汚れも気にする必要もありません。
転記ミスや数え間違い、入力ミスも起こりません。
棚卸しのために営業や出荷を停止する必要もなくなります。
■ なのにRFIDが普及しないのはなぜか?
RFIDで使用するICタグは一枚あたり5円~15円くらいと
安価でRFIDリーダー・ガンも高くても20万円くらいです。
それではなぜ急速な普及が見込まれないのかというと
RFIDメーカーの技術力というか知識のなさです。
RFIDメーカーは専ら無線通信での書き込みや読取りの
ことばかりを解説したがるのですが
我々ユーザーにとっての関心はそこから後のデータの
収集方法なのです。
このことをほとんどのRFIDメーカーは理解していません。
■RFIDメーカーの責任
何と驚くことにほとんどのRFIDメーカーのデータの
提供方法は. dll までなのです。
.dll(=Dynamic Link Library)というのは
Windows上のオブジェクト・ライブラリーであり
これを利用するには上位のVC++やC#のプログラムを
開発しなければなりません。
ところがC/C++の開発は企業ユーザーでもできない会社が
ほとんどであるはずなのです。
RFIDメーカーはこの後の想像力に欠けています。
独りよがりが大半でエンド・ユーザー思考に欠けているのです。
そのためRFIDの開発を主体とするソフト開発会社が
いくつも現れていますが安くはできないでしょう。
ソフト開発会社に相談して見積りを取って開発期間を
必要とします。
これに相当な時間と手間とコストがかかってしまいます。
バー・コードでは何の開発も要らなかったのに
楽なはずのRFIDでは莫大な開発を必要とするのです。
■ IBM iでRFIDを使うには
RFIDリーダー・ガンをひと振りするだけでIBM iに在庫数が
更新されるようにするにはどのようにすればよいのでしょうか?
IBM iの場合でもExcelのVBAで,dllを呼び出すか
.dllを参照してIBM iにアップロードするソフトを
開発する必要があります。
この部分を自社の力で簡単にできるようにしておかないと
RFIDは便利そうだけど調べてみたら導入の手間とコストが
大変だということになってしまいます。
なるほどこれでは投資力に余裕のあるユニクロのような
会社でないとRFIDの導入は難しいということに
なってしまいます。
実は LLRP(=Low Level Reader Protocol)というRFIDを制御する通信プロトコルが
あるのですがサポートしているRFIDメーカーはまだほんの少ししかありません。
LLRPサーバーをIBM iに建てれば直接、RFIDガンからのデータをIBM iで受信することができます。
㈱オフィスクアトロでこのLLRPサーバーを建てることは難しくありませんが
デンソー・ウェーブやキーエンスという大手メーカーのRFID機器がまだ
LLRPをサポートしていないのです。
現在、㈱オフィスクアトロではRFIDのデータをどのように取り込むべきかを
過去のアーキテクチャーの蓄積を踏まえて慎重に検討中です。
企業が採用を希望するのはやはり大手メーカーだからです。
NECも独自の方法を提供しているようです。
いずれにせよ人手減らしと正確な在庫管理には今後はRFIDの導入は
欠かせません。
IBM iのユーザー様が手軽にRFIDの利点を低コストで生かして頂くために
㈱オフィスクアトロの今後の発表にぜひご注目ください。