拡張HTML

拡張HTMLとはいくつかのIBM iユーティリティーを別のブラウザの新しいタブで
最大化して表示する機能のことです。
ライブラリー ASNET.SYS にはいくつかのIBM iユーティリティと同じ名前の
コマンドが収められていますので、これが実行されると別の新しいタブとして
ブラウザに結果が表示されます。

拡張HTMLとはいくつかの良く使われる代表的なIBMユーティリティ・コマンドが
ライブラリー: ASNET.SYSに保管されておりこれらを起動すると
ブラウザに元のIBMユーティリティと同じ機能として拡張されて最大化された
HTML画面として実行されるというものです。

次のコマンドがライブラリー: ASNET.SYSに保管されています。

WRKOUTQ:
出力待ち行列処理
WRKACTJOB:
活動ジョブの処理
WRKWTR:
すべての印刷装置の処理
WRKSYSSTS:
システム状況の処理
WRKDEVD:
装置記述の処理
WRKCFGSTS:
構成状況処理
WRKJOB:
ジョブ処理
STRPDM:
PDM開始
WRKLIBPDM:
PDM 使用のライブラリーの処理
WRKOBJPDM:
PDM 使用のオブジェクトの処理
WRKMBRPDM:
PDM 使用のメンバーの処理
RUNQRY:
QUERY 実行
DSPSPLF:
スプールの表示

WRKOUTQ OUTQ(QPRINT)の実行

解説

IBM iユーティリテイ・コマンドを拡張HTMLとして実行すると
すべての情報が最大化して表示されます。
F11キーによって画面を切替える必要がありません。

オプションの実行

解説

チェックBOXを選択してオプション・ボタンを押すと
スプール全体を表示してスクロール表示することができます。

複数項目の選択実行

解説

複数の項目をチェックしてオプション・ボタンを押すと
複数のスプールを同時に表示することができます。
これは5250エミュレータではできなかったWebならではの機能です。

RUNQRYコマンドもASNET.SYSに用意されていますので
RUNQRYコマンドで結果の画面表示を指定すると
拡張HTMLとしてスプールが全画面されます。

[例] RUNQRYの実行結果

DSPQRYFコマンドもASNET.SYSに用意されていますので
お客さまの適用業務内で ASNET.SYSのDSPSPLFコマンドが
起動されるように設定しておくと
実行結果のスプールが拡張HTMLとして全画面されます。

[例] 仕入先マスター一覧表の出力結果

ライブラリー ASNET.SYSの復元

拡張HTMLのライブラリー ASNET.SYSはライブラリーASNET.COMの保管ファイル
ASNETSYS という名前で保管されていますので次の手順で復元してください。

RSTLIB SAVLIB(ASNET.SYS) DEV(*SAVF) SAVF(ASNET.COM/ASNETSYS) MBROPT(*ALL)
  ALWOBJDIF(*ALL) RSTLIB(ASNET.SYS)  

拡張HTMLの機能を実際に使うには

次の(1)または(2)のいずれかの方法によって実行してください。

  • (1)明示的にライブラリー名を指定して実行する。
    ユーザーCLP内で ASNET.SYS/WRKOUTQ OUTQ(QPRINT) のように
    ライブラリー ASNET.SYSを明示的に指定して実行するようにする。
  • (2)システム・ライブラリー・リストの先頭にライブラリー ASNET.SYSをセットする。
    CHGSYSLIBL LIB(ASNET.SYS) OPTION(*ADD)

    によってライブラリー ASNET.SYSをシステム・ライブラリー・リストの先頭に
    配置します。
    このコマンドの実行をユーザー・プロフィールの初期プログラムの中に配置すると
    そのユーザーでログインすればすべて有効になります。
    このコマンドによるライブラリー・リストの変更は実行したジョブにおいてのみ
    有効です。

                                        ライブラリー・リスト表示
                                                                        システム :   S652EA92
    
    
     オプションを入力して,実行キーを押してください。
     5= ライブラリー中のオブジェクトの表示
    
     OPT   ライブラリー    タイプ   ASP  装置    テキスト
           ASNET.SYS     SYS                   AS/400 SYSTEM LIBRARY
           QSYS          SYS                    システム・ライブラリー
           QSYS2         SYS                   CPI のシステム・ライブラリー
           QHLPSYS       SYS
           QUSRSYS       SYS                   System Library for Users
           QTRFIL        USR
           QTROBJ        USR
           QTRSRC        USR
           QTEMP         USR
           QGPL          USR                   GENERAL PURPOSE LIBRARY
           :
    

    他のジョブには影響を与えることはありません。
    ジョブを終了するとシステム・ライブラリー・リストは元のライブラリー・リストに
    戻ります。

    IBM iのコマンドはライブラリーQSYSに保管されていますので
    このシステム・ライブラリー・リストの状態で例えばコマンド: WRKOUTQを実行すると
    ライブラリー・リストの先頭にあるASNET.SYS内のコマンド: WRKOUTQが実行されます。

設定を変更したりせずに5250エミュレータ上で拡張HTMLを体験することができます。
ライブラリーASNET.SYS内にあるコマンドはQSYSのコマンドと基本的に同じですが
OUTPUTパラメータに *HTMLが用意されています。
このOUTPUTパラメータに *HTMLを指定すればコマンドの出力結果は拡張HTMLとして
表示されます。

[例] ASNET.SYS/WRKACTJOB OUTPUT(*HTML)

サンプル・ライブラリー: QTRSRC, QTROBJ, QTRFIL には拡張HTMLを使って動作できる
サンプルが用意されています。

[メニュー MN00 ] - [メニュー MN02 ] - [1.受注の入力]
解説

この [F5=活動ジョブ] [F13=出力待ち行列] は拡張HTMLを起動している。

0127.00 C*( CF05 )- 活動状況
0128.00 C     *IN05         IFEQ      *ON                                          CF05
0129.00 C                   SETOFF                                       05
0130.00  /FREE
0131.00      RC = CMD('ASNET.SYS/WRKACTJOB');
0132.00  /END-FREE
0133.00 C                   GOTO      DSPLY
:
0143.00 C*( CF13 )- 出力待ち行列
0144.00 C     *IN13         IFEQ      *ON                                          CF13
0145.00 C                   SETOFF                                       13
0146.00  /FREE
0147.00      RC = CMD('ASNET.SYS/WRKOUTQ OUTQ(QGPL/QPRINTS)');
0148.00  /END-FREE
0149.00 C                   GOTO      DSPLY
0150.00 C                   END                                                    CF13
[CF05-活動状況]
[CF13-出力待ち行列]