パス・スルーとは IBM i を経由して(パス・スルー)別の IBM i に
5250エミュレータで接続する操作のことを言います。
次は東京本社の表示端末が AutoWeb によって東京本社の IBM i を
パス・スルーして上海支社の表示端末として表示される様子を示しています。
本章では AutoWeb によるパス・スルー接続の操作の方法について解説します。
パス・スルーには
の2つの方法があります。
パス・スルー接続
パス・スルー接続とは IBM i の STRPASTHR コマンドによる接続のことです。
パス・スルー接続は STRPASTHRコマンドによってパス・スルーを開始して
相手の IBM i での ENDPASTHR コマンドによってパス・スルーを終了します。
AutoWeb は
- パス・スルーを検知して開始と終了を認識します。
- パス・スルーを可能にするための設定は必要ありません。
- パス・スルーの相手方 IBM i の CCSID や国際言語を問いません。
ただし次のことを留意してください。
-
ツリー・ビュー( TREE_MENU )が *NO で起動している場合は
5250エミュレータ上のパス・スルーと同じ動作となります。 -
ツリー・ビュー( TREE_MENU )を *YES で起動している場合は
相手方 IBM i の動作は ツリー・ビュー( TREE_MENU )は *NO として動作します。
次はその様子を示しています。ツリー・ビュー
(TREE_MENU)として
親画面を起動パス・スルーを起動 子機にサイン・オン 子機ではメニューは
ツリー・ビューは
表示されません。 -
ツリー・ビュー( TREE_MENU )を *YES で起動している場合は
パス・スルーを終了するまでは構内のツリー・ビューを
選択することはできません。
TELNET 接続
TELNET 接続とは IBM i の TELNET コマンドによる接続方法です。
TELNET は接続する相手方 IBM i の IP アドレスを指定して接続する方法です。
TELNET 接続は IBM i どうしの通信経路を定義していなくても
IP アドレスによるネットワーク接続さえできれば簡単にパス・スルー接続ができます。
TELNET の開始
TELNET RMTSYS( 相手方 IBM i の IP アドレス ) + 実行キー
によって TELNET を開始することができます。
TELNET の終了
接続中の相手方 IBM i で ATTN キー( ESC )を押すと
次のような TELNET 制御メニューが表示されます。
TELNET 制御機能の送信 システム : 次の1つを選択してください。 1. 割込み処理 - IP 2. QUERY 接続状況− AYT 3. ホスト出力データの破棄− AO 4. データ経路の消去 - SYNCH 5. リモート・ホストに対する ATTN キー 99. TELNET セッションの終了 - QUIT
「 99. TELNET セッションの終了 」を選択すると TELNET は終了して元の
IBM i の画面に戻ります。
もうひとつの TELNET の終了方法は
SIGNOFF ENDCNN(*YES)
のコマンドを実行することです。
AutoWeb は、このどちらの終了方法であっても TELNET の終了を検知することが
できます。
2 台の IBM i のパス・スルー接続のための経路の設定は
お客様ご自身の責任として設定してください。
接続方法が不明な場合は最寄りの IBM 特約店にご相談ください。
パス・スルーご使用上の注意点
ご契約上の制約
AutoWeb はご契約された IBM i の LPAR 区画における使用のみが
認められています。
IBM i にパス・スルーでのご契約のない区画へのご利用は
原則として禁じさせて頂いております。
機能上の制約
AutoWeb の GUI 化機能は実行中のプログラムが使用中の DSPF オブジェクトを
動的に調べて DSPF オブジェクトに記述されている GUI 化記述を読み取って
実行しています。
しかしパス・スルー環境では子機の IBM i の DSPF の情報は読取ることは
できません。これは IBM i の技術的な仕様です。
したがって AutoWeb はパス・スルー環境での GUI 化はサポートしていません。
パス・スルーの利用はやはり定型業務ではなく非定型の例外的な使用として
留めておいてください。