System i をインターネットにグローバル IP を使って接続する方法を紹介します。
ここでは全く新規に導入した System i の導入からの方法を解説します。
既に導入済みでセットアップが終わっている System i であっても
以下の方法によって外部のインターネットに接続して、
あなたの会社の System i をインターネットに公開することができます。
次の順序に従って設定を行います。
以下の処理はすべて QSECOFR 権限
によるコマンド入力画面から行ってください。
コマンド入力画面から WRKHDWRSC ( Work Hardware Resource )
を使います。
WRKHDWRSC *CMN + [実行]
によって次のように「通信資源の処理
」の画面を表示してください。
この目的は「イーサネット・ポート
」の資源名を調べるためです。
この画面の例では
CMB03 5706 操作可能 通信プロセッサー LIN04 5706 操作可能 LAN アダプター CMN05 5706 操作可能 イーサネット・ポート CMN06 5706 操作可能 イーサネット・ポート
と、ありますので CMN05
と CMN06
の2つのイーサネット・カードが装填されています。
これらのイーサネット・ポートには、どのような IP アドレスを割り振るべきであるのかは
ネットワーク管理者と相談の上、事前に決めておいてください。
また使用可能な自社のグローバル IP も事前に調べておいてください。
インターネットに接続するためのグローバル IP は、最寄の取引きのあるプロバイダーから
契約して購入することができます。最低 8 個単位から購入が可能のはずです。
次に通信記述( LIND
) を作成する必要があります。
現在の System i には、どのような通信記述があるのかは WRKCFGSTS ( Work Config Status )
を使って、
WRKCFGSTS *LIN + [実行]
のようにすると次のように画面が表示されます。
全く、新品の System i であれば、社内通信のための ETHLINE
の記述すらありません。
あるいはインターネット接続のために新たにイーサネット・カードを装填したのであれば
そのカードに対する通信のための記述が必要です。( ETHOTLINE
)
通信の記述は、コマンド入力画面から
GO CFGPCS + [実行]
すると次の画面が表示されます。
ここで「3. ETHERNET (LAN)
」を選択するだけで次のようにイーサネット・ポートが
自動的に割り振られた画面が表示されますので、これで良ければ実行キーを
押して進めていくだけで通信構成( ETHLINE
または ETHOUTINE
) を
作成することができます。
インターネット外部接続のための ETHOUTLINE
を画面に表示されている初期値とは
別の イーサネット・ポートに接続したいのであれば、F4 キーを押して候補の中から
選択すれば「ローカル・アダプター・アドレス
」も同時に取得することができます。
導入されたばかりの System i は社内 IP アドレスさえ保有していません。
唯一、アサインされているのは 127.0.0.1
という *LOOPBACK
アドレスだけです。
127.0.0.1
とはプログラム等が自分自身に接続するための IP アドレスであり
どの System i も共通でこの同じ値です。
コマンド入力画面で、
CFGTCP + [実行]
の上、オプション「 1. TCP/IP インターフェースの処理
」 を選択すると次のような画面が表示されます。
これは、まだ何も IP アドレスが割り振られていない状態であることを示しています。
そこで「1= 追加
」を使って次のように IP アドレスを追加してください。
社内用 | 社外インターネット接続用 | |
---|---|---|
サブネット・マスク | 255.255.255.0 | 255.255.255.248 |
社内用の回線であれば、追加が終われば「9= 開始
」を指定すれば直ちに
社内LAN ネットワークに接続することができます。
しかし 社外インターネット接続用であれば CFGTCP の
「2. TCP/IP 経路の処理」
を選んで経路を指定する必要があります。
経路は次のように「*DFTROUTE
」という経路名に対してインターネット接続のための
ルーターのグローバル IP のアドレスを登録してください。
社外インターネット接続用であれば必ずこの経路指定が必要となります。
最後に WRKCFGSTS *LIN + [実行] によってジョブの部分が表示されていれば接続は成功です。
Windows の DOS コマンド・プロンプトから PING + (IPアドレス)
を実行すると
応答が返ってくるのを確かめることができます。
社内に既にインターネット接続のための回線とルーターが用意されているとき、
ルーターは大抵、ファイヤー・ウォールの機能も兼ねており、特定の PORT 番号からのみ
外部接続が可能となっているはずです。
ファイヤー・ウォールで外部から接続可能として許可されているのは
PORT番号 = 80
だけですが、5250 接続を外部インターネット経由で行いたいのであれば
PORT 番号 = 23
も許可して開けておくようにしてください。
このとき外部から接続可能な 5250 エミュレータは PCOMM すなわち、
「IBM パーソナル・コミュニケーションズ」または
弊社製品 Chicago の AutoGUI だけです。( 他の他社製品に関しては不明)
クライアント・アクセス関連は接続の都度、PORT 番号が変更されますので基本的に
外部からのインターネット接続はできないものと考えておいたほうがいいでしょう。
また 5250 エミュレーターによるインターネット接続は、常時接続されているわけではなく
一定時間の経過後に頻繁に切断されてしまいます。
従って業務用として利用できるものではありません。
自宅や遠隔地、モバイル環境からの、ちょっとした接続には利用できますが長時間の
安定した接続を期待することはできません。
潟Iフィスクアトロがモバイル環境で行っている個別デモは、このようなインターネットによる
5250 接続
であって VPN
ではありません。