弊社製品の直接の機能ではありませんが
IBM i IFS の /QNTCフォルダーに関する重要な点をお客さまよりご指摘がございましたのでお知らせ申し上げます。
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■ QNTCとは
/QNTCとはIFS内の特殊なディレクトリーであり
SMB(=Server Message Block) という通信プロトコルを使って
外部のWindowsの共有ファイルと通信できる機能のことです。
例えば構内の共有の画像ファイルをIBM iのRPG/COBOLから
アクセスして参照することができます。
この共有ファイルへのアクセスを可能にするには
例えば IP: 192.168.1.54 のWindowsサーバーに対して
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CRTDIR DIR('/QNTC/192.168.1.54') DTAAUT(*RWX) OBJAUT(*ALL)
を実行しておくとアクセスが可能になります。
この設定によってIBM iから 192.168.1.54 にある共有ファイルへのアクセスが可能となります。
共有ファイルとは
Windowsの共有ファイルとはWindowsに共有という通信プロトコル: SMBサーバーを起動することです。
WindowsのSMBサーバーが共有プロトコルで外からの要求を受取って共有ファイルのデータを返すという仕組みです。
つまりファイルが共有にするということはそのファイルをSMBプロトコルで通信して受信することができるという意味です。
その意味ではIBM iのQNTCはSMB通信のクライアントであると言えます。
■ IPL 時に QNTCの設定が失われます
しかしあるお客さまのご指摘で IBM iのIPLによってこの設定が
失われることが判明致しました。
つまりIPLを実行してしまうとQNTCの設定が失われて他サーバーへの共有ファイルへのアクセスができなくなります。
https://www.ibm.com/docs/ja/i/7.1?topic=qntc-creating-directories-in-file-system
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■ QSTRUP による対策
このことに対してIBMによる対策の説明はありませんが
次のようにスタートアップ・PGM : QSTRUP に上記のコマンドを
登録していただくことによってIPL時にもこの設定を自動的に回復させることが可能となります。
[例] : CLP: QSTRUPプログラムへの追記
0020.00 PGM : 0051.00 NOWTRS: 0052.00 QSYS/STRTCP /* QTR ADD */ 0053.00 MONMSG MSGID(CPF0000) 0054.00 CRTDIR DIR('/QNTC/192.168.1.54') DTAAUT(*RWX) + 0055.00 OBJAUT(*ALL) 0056.00 MONMSG MSGID(CPF0000)
[解説]
NOWTRSタグの直後に TCP/IPの開始: QSYS/STRTCP を行ってから
0054.00 CRTDIR DIR('/QNTC/192.168.1.54') DTAAUT(*RWX) + 0055.00 OBJAUT(*ALL) 0056.00 MONMSG MSGID(CPF0000)
のようにして CRTDIR を記述してください。QNTCをお使いのお客さまはこの記述を追加しておくようにしてください。
スタートアップ・PGM : QSTRUP の使い方は
AutoWebのマニュアル と
SpoolライターVer5.0 のマニュアルにも紹介されています。
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※ 本件のご注意は弊社マニュアルにも追記する作業を進めています。