テレワーク・キットとは在宅勤務を目的に開発された2つの機能のセットです。
(1)WRKSPL : スプール・ファイルの処理
(2)PDFKEY : アテンション・キーだけによるPDF変換
・・・いずれもテレワークを支援する高機能です。
社内事情に適した機能を選択してご利用ください。
どちらかをアテンション・プログラムとして登録しておけば
現行の適用業務を変更することなくアテンション・キーを押すだけで
これらの機能を利用することができます。
(1) WRKSPL: スプール・ファイルの処理
WRKSPL(スプール・ファイルの処理)は現行のジョブで出力されたスプールを
一覧にして表示して
その中から指定してPDF化することができます。
プログラム SPOOLWTR/WRKSPL をアテンション・プログラムとして登録すれば
アテンション・キーを
押すだけでWRKSPLを呼び出すことができます。
WRKSPL スプール・ファイルの処理 ジョブ : QPADEV000F ユーザー : QTR 番号 : 849247 選択項目を打鍵して実行キーを押してください。 1=PDF に変換して表示 4= 削除 5= スプールを表示 装置/ ユーザー 合計 OPT ファイル 待ち行列 ・データ 状況 ページ 部数 QPRINT WIN01 TESTPRT10 WTR 2 1 ILEMOD51 QPRINT MENU RDY 12 1 ILEMOD6 QPRINT MENU RDY 6 1 SMP007 QPRINT コンパイル RDY 27 1 TM070ZD QPRINT RDY 13 1 TM070ZD QPRINT RDY 13 1 MNMTBP QPRINT RDY 5 1 SERVER QPRINT CRTCMOD RDY 6 1 ILEMOD6 QPRINT MENU RDY 9 1 GSOAP QPRINT MENU RDY 8 1 ENGLISH QPRINT RDY 2 1 続く ... F3= 終了 F5= 最新表示 F6= ジョブ選択 F7= ユーザー選択 F11= ビュー2 F12= 取消し (C) COPYRIGHT OFFICE QUATTRO 2020.
「1=PDFに変換して表示」をオプション選択するとそのスプールがその場で
PDF変換されてブラウザで表示されます。
WRKSPLは非常にパフォーマンスに優れてストレスなくテレワークを支援します。
F6=ジョブ選択 | 過去にこのユーザーがこのジョブ名で出力したスプール全体が表示されます。 |
---|---|
F7=ユーザー選択 | このユーザーが過去に出力したすべてのスプールが表示されます。 |
・・・「F6=ジョブ選択」や「F7=ユーザー選択」のようなスプール絞込み選択の機能は
これまでの IBM iにもなかった機能です。
WRKSPLの活用にはプリンタを停止しておく必要があります。
(2) PDFキー: アテンション・キーを押してPDF変換する
単にアテンション・キーを押す操作だけでPDF化できる機能があります。
それがPDFキー(太字)です。
ライブラリー:SPOOLWTR のプログラム: PDFキーを次のようにアテンション・プログラムとして
登録してください。
SETATNPGM PGM(SPOOLWTR/PDFKEY) SET(*ON)
※アテンション・プログラム(ATNPGM)とは5250エミュレータでアテンション・キー(ATTN)を
押して起動する割り込みプログラムのことです。
アテンション・キー(ATTN)とは通常、キー・ボードの左上のESCキーのことです。
アテンション・プログラム(ATNPGM)はどのような業務の実行中であっても
アテンション・キー(ATTN)を押すことによって途中の割り込みとして
起動します。
アテンション・プログラムの設定の方法について説明します。
(1)コマンド入力画面(QCMD)で SETATNPGM で設定する
コマンド入力画面で
SETATNPGM PGM(SPOOLWTR/WRKSPL) SET(*ON)
または
SETATNPGM PGM(SPOOLWTR/PDFKEY) SET(*ON)
によって設定します。解除するには
SETATNPGM PGM(SPOOLWTR/WRKSPL) SET(*OFF)
または
SETATNPGM PGM(SPOOLWTR/PDFKEY) SET(*OFF)
を入力します。
ただしエンド・ユーザーに SETATNPGMコマンドの使わせることはできませんので
この方法は情報システム室がテストのためだけに使用してください。
以降に社内で使用する方法を紹介します。
(2) システム全体にセットする方法
CHGSYSVAL SYSVAL(QATNPGM) VALUE('WRKSPL SPOOLWTR ')
または
CHGSYSVAL SYSVAL(QATNPGM) VALUE('PDFKEY SPOOLWTR ')
によって社内全員のアテンション・プログラムを設定します。
(実行には *ALLOBJ, *SECADM権限が必要です)
この設定は次にサイン・オンしたユーザーから有効になります。
(3) ユーザー別にセットする方法
CHGUSRPRF USRPRF(xxxxxxx) ATNPGM(SPOOLWTR/WRKSPL)
または
CHGUSRPRF USRPRF(xxxxxxx) ATNPGM(SPOOLWTR/PDFKEY)
によってユーザー個別にアテンション・プログラムを設定します。
(この実行には *SECADM権限が必要です。)
この設定は次にサイン・オンしたユーザーから有効になります。
(4) ジョブ単位で行う場合
CLPに次のコマンドを入力してエンド・ユーザーに実行させてください。
SETATNPGM PGM(SPOOLWTR/WRKSPL) SET(*ON)
または
SETATNPGM PGM(SPOOLWTR/PDFKEY) SET(*ON)
[注意]ただし SETATNPGMコマンドが実行されたスタック・レベルが終了すると
アテンション・プログラムの効力が失われてしまいます。
例えばあるCLプログラムの中に SETATNPGM を入れておいて実行しても
そのCLPが終了すれば SETATNPGMで指定した アテンション・プログラムの効力は
失われてしまいます。
このことは SETATNPGMを実行する何らかのCLPを作成して呼び出して実行したとしても
そのCLPが終了して戻った上位のプログラムではアテンションは効きません。
従ってジョブ単位でそのジョブが終了するまでアテンション・プログラムを
有効にしておくにはユーザー・プロフィールの初期プログラムの中で
SETATNPGM SPOOLWTR/WRKSPL SET(*ON) または SETATNPGM SPOOLWTR/PDFKEY SET(*ON)
を実行させることです。
アテンション・プログラムを既に使用中である場合
・社内で既にアテンション・プログラムでATTNキーを利用している場合、
ATTNキーに SPOOLWTR/WRKSPL またはSPOOLWTR/PDFKEYを割り当てることはできません。
そこで ATTNプログラム WRKSPL またはPDFKEYと同じ機能を実行するための
コマンド: WRKSPLおよび PDFKEYが用意されています。
[コマンド: WRKSPL ]
スプール・ファイル処理 (WRKSPL) 選択項目を入力して,実行キーを押してください。 ジョブ名 . . . . . . . . . . . * 名前 , * ユーザー . . . . . . . . . . 名前 番号 . . . . . . . . . . . . 000000-999999, *ALL 終り F3= 終了 F4=プロンプト F5= 最新表示 F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続き
[解説]
コマンド: WRKSPL ではパラメータとしてジョブ名、ユーザー、ジョブ番号を
指定することができます。
ジョブ名を * としたときは、実行中のジョブが選択されます。
[コマンド: PDFKEY ]
PDF 化 ATTN キー・プログラム (PDFKEY) 選択項目を入力して,実行キーを押してください。 キーのセットまたは PDF 化 . . *ON *ON, *PDF, *OFF 終り F3= 終了 F4=プロンプト F5= 最新表示 F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続き
[解説]
ご覧のようにコマンド: PDFKEY は *ON(=準備), *PDF(=PDF化)と *PFF(=終了)
の3つのオプションを持っていますのでこれはアテンション・プログラムを
3回押すのと同じ機能を持っています。
従って社内で既にアテンション・プログラムでATTNキーを利用している場合でも
次のようなメニューをアテンション・プログラムで表示させてやればよいことに
なります。
[ATTNキー処理メニュー ]
PDF 化 ATTN キー・プログラム (PDFKEY) ATNMNU アテンション処理メニュー システム : 次の中から1つを選んでください。 1. ジョブ・スプール・ファイルの処理 WRKJOB *SPLF 2. すべての出力待ち行列の処理 WRKOUTQ 3. WRKOUTQ QPRINT QRKOUTQ QPRINT 4. WRKOUTQ QPRINT テレワーク・キット 11. PDFKEY の準備 PDFKEY *ON 12. PDFKEY による PDF 化実行 PDFKEY *PDF 13. PDFKEY の終了 PDFKEY *OFF 選択項目またはコマンド ===> F3= 終了 F4= プロンプト F5= 活動状況 F6= メッセージ F9= コマンドの複写 F10= コマンド入力 F12= 取消し F13= 印刷制御
[解説]
11.PDFKEY の準備 (PDFKEY SET(*ON)) (*ON)) |
OVRPRTF *PRTF HOLD(*YES)によって印刷スプールを凍結(HLD)します。 |
---|---|
12.PDFKEY による PDF 化実行(PDFKEY SET(*PDF)) |
印刷実行の後にこのオプションを実行すれば 印刷スプールがPDF化されます。 |
13.PDFKEY の終了(PDFKEY SET(*OFF)) |
印刷実行の後にこのオプションを実行すれば印刷スプールがPDF化されます。 |
社内のCLPにテレワーク・キットを組み込む
操作によるのではなく各 CLプログラム内部にテレワーク・キットを簡単に組み込むことができます。
PDFKEYコマンドを使えば OVRPRTF 、DLTOVRなどの面倒なコマンド記述は不要となります。
[例]
-----------------------------------------------------------------------------
PGM
:
SPOOLWTR/PDFKEY SET(*ON)......... テレワーク・キットの準備
:
CALL OBJLIB/MYPGM ............... 印刷プログラムを実行
:
SPOOLWTR/PDFKEY SET(*PDF) ....... PDF化して表示
SPOOLWTR/PDFKEY SET(*OFF) ....... テレワーク・キットの終了
:
ENDPGM
-----------------------------------------------------------------------------
PDFKEYコマンドはバッチ処理環境では使用することはできません。