21. AS/400 文字作成ユーティリティー (STRCGU)
AS/400 文字作成ユーティリティー (STRCGU) は IBM によって i5/OS 上のユーティリティーとして
提供されている外字作成/編集のためのソフトウェア・ツールです。
使い方の詳細は[IBM 適用業務開発] - [文字作成ユーティリティー(CGU)] を参照してください。
ここでは Spoolライターの外字の管理に使用するための方法のみを解説します。
Spoolライターで使用する CGU の機能
Spoolライターで使用するCGU の機能は次の2つです。
- 1. ユーザー定義文字の作成または更新
- 3. ユーザー定義文字のリスト
1. ユーザー定義文字の作成または更新 | 現在、登録済みの外字の状況を確認するために使用します。 |
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3. ユーザー定義文字のリスト | 現在、登録済みの外字の状況を一覧表にして出力するために使用します。 |
1. ユーザー定義文字の作成または更新
【 解説 】
これは次に編集のために取り出す外字を指定するための画面です。
文字のDBCS番号 |
現在、次に登録する外字の漢字番号(DBCS番号)が最初に表示されています。 つまり例えばこの番号が 10634 であったとすると DBCS番号は 10633 までは既に登録済みであることになります。 外字(ユーザー定義)の漢字番号は 10561〜16382 ですので この DBCS番号が 10561 と表示されている場合は 外字は全く存在せず、未登録であることを示しています。 DBCS番号が 10561 よりも大きい、つまり外字が登録されている場合に 24x24 または 32x32 のフォントの登録があるかどうかを 調べるのであれば DBCS番号には「10561」と指定してください。 |
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1=作成または更新用に選択 |
フォント・サイズを選択することによって 24x24 または 32x32 のサイズの外字が 登録されているかどうかを調べることができます。 24x24は 5553 や 5577等の伝統的な AS/400の直結プリンターや 5295 等のダム端末のために使用されていましたので 外字の登録がある場合は 24x24 の登録もあるはずです。 これに対して 32x32 は大規模なページ・プリンターのために 使用されていたフォントです。 従って32x32のフォントは登録されていない場合もありますが もし登録されていれば 32x32 を利用したほうが フォントの精度は高くなります。 例えば、System i のフォントを Windows PC にダウンロードして Windows の外字エディタを使って Windows の外字として登録する場合は 24x24 よりも32x32をダウンロードして利用したほうが 外字の精度は高くなります。 |
ここでは外字のドット・イメージが表示されており、編集することもできます。
更新は「F10=続行」キーを押すと更新されますので、
意図的に修正する場合を除いてはF10キーは不用意に押さないでください。
「F14=コピー」を使うと既存の漢字イメージを、この画面にコピーすることができます。
コピー元となる漢字は、外字を含むすべての漢字ですので
既存の漢字をコピーして編集することによって新たな外字を作成することができます。
漢字コードは「N:CC18-2040-3:IBM 漢字コード一覧表」によって調べることができます。
(例えば「品」という漢字の漢字コードは 1488 です。)
22. フォント管理援助機能 (STRFMA)
フォント管理援助機能 (STRFMA) は IBM i5/OS によって提供されているユーティリティーであり
外字フォント・イメージを 5295等のダム端末(5250エミューレータ専用端末)に
ダウンロードするためのソフトウェア・ツールでしたが
ダム端末が使用されなくなった今では、
ダム端末にダウンロードするという本来の目的で使用されることはありません。
ただし後に説明する特殊な操作によってフォント・イメージを
Windows PC にダウンロードすることはできますが、
Spoolライターの漢字テーブルの変換(CVTIGCTBL) によって
フォント・イメージはWindows PC にダウンロード/アップロードもサポートできるようになりましたので
もはや Spoolライターにとっても フォント管理援助機能 (STRFMA)は必要でなくなりました。
ここでは 参考までにフォント管理援助機能 (STRFMA)によるフォント・イメージの
ダウンロードの方法について紹介するに留まります。
外字フォントのダウンロードの方法
- 1. USRFNT, FNT を指定してコピー
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オプション「3. DBCS フォント・テーブルからのユーザー定義文字のコピー」によって
次のように USRFNT, FNT を指定してコピーする。
- 2. デバッグ・モードでもう一度実行
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STRDBG UPDPROD(*NO) + [実行] とデバッグ・モードにして、
もう一度上記の1.の作業を実行する。 - 3. エラー・メッセージに応答する。
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「UPDPROD(*NO) の時にメンバー QFMADIR をオープンできない 」 に実行キーで応答する。
「UPDPROD(*NO) の時にメンバー QAFSVDF をオープンできない 」 に実行キーで応答する。
「(C S D F) OPEN の過程でエラー・メッセージ CPF4203 が出された 」 に対してC (キャンセル)で応答する。
「ユーザー・フォント・ファイルの作業ファイルを割り振ることができない 」 に対してF12キーを押す。 - 4. デバッグを終了する。
- ENDDBG + [実行]でデバッグ・モードを終了する。
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5. ファイル QTEMP/QFMAUSR を別のライブラリー(例えばQGPL) に移す。
(STRPDM, MOVOBJ または CRTDUPOBJ) - 6. QFMAUSR を無変換で Windows PC にダウンロードする。
- 7. PCOMM によって userfont.fon に変換する。
- PCOMMの gaijicnv.exe を起動してファイルを userfont.fon に変換する。
- 8. Windows の外字エディタを起動する。
-
変換されたファイルを Windows の「外字エディタ」において
「ビットマップフォントの取り込み」によって取り込んで完成となる。
【解説】
従来では上記のように FMA を使って、
さらに PCOMM (IBM Personal Communications) を使ってuserfont.fon に変換してから、
ようやくWindows の外字エディタで Windows の外字ととして取り込むことができる、
という手間のかかるステップを必要としていた。
今では Spoolライターの On the Web の「外字参照の登録」を使えば
ボタンひとつでIBM i の外字をダウンロードして登録することができる。
PCOMM も STRFMA も必要とはしない。