すべてのネットワーク・プリンターの管理

51. ネットワーク・プリンターの処理 ( WRKNETWTR )

WRKNETWTRの画面

【説明】

WRKNETWTR (ネットワーク・プリンターの処理 Work Netword Writer ) は、
IBM i 上で SpoolライターVer5.0 を使って作成されたすべてのネットワーク・プリンターと
それに関連する印刷待ち行列を表示して処理することができます。
( IBM i 直結の 5577系プリンター関連は表示されません。)

WRKNETWTR を使うとすべてのネットワーク・プリンターの状況を全体として、
包括的に把握することができます。

・OUTQ / ライブラリー
ネットワーク・プリンターに接続される OUTQ です。
・プリンター(装置)
OUTQ に接続されるネットワーク・プリンター(装置)です。
装置記述は、

CRTDEVLPR ( LPR 装置の作成 )CRTDEVIPP ( IPP 装置の作成 )
CRTDEVORC ( ORCA 印刷装置の作成 )

によって作成されます。
OUTQ と装置は同じ名前でなくてはなりません。
・IPアドレス
ネット・ワークプリンター(装置)の IPアドレス が表示されています。
この IP アドレスは上記の CRTDEVxxx のときに指定された IPアドレス です。
ただし 127.0.0.1 という IPアドレス は LoopBack と呼ばれる特別なアドレスであり、
このアドレスの装置は印刷を依頼した元の PC クライアントに印刷データを
PDF などでリダイリクトして戻します。
結果として PC クライアントが自分自身に接続されている通常使うプリンタに
印刷出力を行います。
このようにクライアントに印刷データが戻される仕組みのことをローカル印刷と呼びます。
ローカル印刷ができるのは Spoolライター Ver5.0 だけです。
・ドライバー
ドライバーとは装置に組み込まれている Spoolライター Ver5.0 が提供する
印刷ドライバーのことです。
どのようなドライバーが組み込まれているかによって印刷装置の振る舞いが変わってきます。
LPRDVR
LPR ドライバー。
LPD プリンタへの印刷やローカル印刷で PC クライアントに印刷データを戻します。
ローカル印刷として使用するときは PC クライアントの Windows には
LPD が起動していなければなりません。
LPR は多くのプリンタや複合機でもサポートしており、LPR で印刷することができます。
IPPDVR
IPP ドライバー。
IPP プリンタへの印刷やローカル印刷で PC クライアントに印刷データを戻します。
IPP プロトコルも多くのプリンタでサポートされていますが、
IPP が導入されていても起動しているとは限りませんので、
PORT 検査 ( CHKDEVPOT ) で調べる必要があります。
IPP プロトコルは、LPR に比べて細かな指示をプリンタに与えることができます。
IPP では用紙の種類、方向、印刷トレイや両面印刷なども
IBM i 側から指示することができます。
IPP でローカルを行うにはクライアントに ORCA と呼ばれるモジュールの導入が必要です。
ORCDVR
ORCA ドライバー。
PC クライアント ( Windows ) に導入された ORCA ( = オルカ )と呼ばれる
プログラム・モジュールと対話して印刷出力します。
ORCA は Windows のプリンタ・ドライバを使ってプリンタに印刷します。
従って ORCA はプリンタの種類を選ぶことなくほとんどのプリンタへ印刷することができます。
IBM i と ORCA の間の通信も IPP ですので IPP の拡張性は ORCA にも継承されています。
状況
プリンタの活動状況を示しています。

WTR : プリンタは印刷待ちであり OUTQ にスプールが投入されると、
直ちに印刷することができます。
【オプションの説明】
1 = 開始 STRPRTWTR ( 印刷装置書出し PGM 開始 )コマンドによってライター ( 装置 ) を開始します。
ただし、ネットワーク・プリンターの印刷開始は
メッセージ・オプション: *NOMSG
として用紙替えや用紙合わせのメッセージを出力しないようにします。
4 = 停止 ENDWTR ( 書出しプログラム終了 ) によってプリンター ( 装置 ) を停止します。
7 = メッセージ メッセージ待ちになっているプリンターのメッセージを表示します。
8 = ジョプログ 稼働中のライターの実行中のジョブログを表示します。

各ライター・ジョブは、サブ・システム QSPL の配下で次のように実行しています。
WRKACTJOB SBS ( QSPL ) で表示することができます。
                              活動ジョブの処理                        
                                                            18/04/27  
CPU %:      .6     経過時間 :   02:29:53     活動ジョブ数 :   240     
                                                                      
オプションを入力して,実行キーを押してください。                      
  2= 変更   3= 保留     4= 終了   5= 処理   6= 解放   7=メッセージ の表示 
  8=スプール・ファイル の処理   13= 切断 ...                                  
                     現行                                             
OPT  サブシステム/ジョブ  ユーザー       タイプ  CPU %   機能            状況    
     QSPL           QSYS        SBS      .0                   DEQW    
       IPPDEV       QSPLJOB     WTR      .0                   EVTW    
       LPRDEV       QSPLJOB     WTR      .0                   EVTW    
       LPRWTR       QSPLJOB     WTR      .0                   EVTW    
       ORCA         QSPLJOB     WTR      .0                   EVTW    
       XEROX        QSPLJOB     WTR      .0                   EVTW    
       XEROX_PRT    QSPLJOB     WTR      .0                   EVTW    
       XEROX_TEST   QSPLJOB     WTR      .0                   EVTW    

ライターの詳しい状況を調べるにはライターのジョブログを調べて解析してください。
しかし WRKACTJOB SBS ( QSPL ) で目的のライターを探して、
さらにジョプログを調査するのは面倒です。
「 8 = ジョブログ 」を選択すればそのライターのジョブログを
直ちに調べることができます。