印刷スプールの保管/復元

3. スプール・ファイルの保管(SAVSPLF)

スプール・ファイルの保管はこれまで難題でした。
ライブラリーに存在している出力待ち行列(OUTQ) を
SAVLIB やSAVOBJ コマンドを 使ってテープや *SAVF に保管しても
スプール自体は保管すら脱落してしまうからです。

これはIBM i を新しくリプレースしたときに
古いIBM i に保管されていた スプールは移行することができずに、
すべて廃棄しなければならないという事態を引き起こしていました。
また、長年ハード・ディスクの多くの領域を占めている古いスプールをPCなどに保管して
必要なものだけを復元したいという要望にも応えることができませんでした。

しかし、Spoolライターでは「スプール・ファイルの保管」と
「スプール・ファイルの復元」 という2つの機能が追加され、従来のこの難題を解決しました。

次の画面はスプール・ファイルの保管の様子を表しています。

【解説】

スプール・ファイルの保管は個別でも、
あるいはある出力待ち行列(OUTQ)全体の スプールをまとめて保管することもできます。
多くの場合、スプールは *SAVF にして
指定するライブラリーに保管しておくと扱いやすくなります。

指定する保管ファイルは SAVSPLFコマンドの実行前には

CRTSAVF QGPL/MYSAVF

のように作成しておく必要があります。
また *SAVF が既に存在している場合でも

CLRSAVF QGPL/MYSAVF

のように事前に内部を消去しておいてください。
*SAVF として保管すればPCへFTPなどを使って無変換でダウンロードしてから
電子メールで送信することもできます。

SAVSPLF はスプールの印刷情報はもちろん、
スプールの属性情報も完全な形で保管し、
RSTSPLF コマンドを使って完全な形で復元されます。
罫線情報やバー・コード情報も完全な形で復元されますし、
*SCSストリーム だけで なく、*AFP や ASCII も保管/復元することができます。

目的リリースにも注意してください。
SpoolライターではすべてのOS/400リリースが選択肢として表示されていますが、
これはすべてのリリースに保管が可能という わけではありません。
SAVLIB コマンドで表示されているように2世代前にしか戻って保管することはできません。

また、スプールの復元のときは、
どの出力待ち行列(OUTQ)から保管されたかを指定する必要がありますので、
その管理は怠らないようにしてください。
スプール・ファイルの保管(SAVSPLF)はIBM i 側の操作だけでなく
PCクライアント側のSpoolライターを使っても操作することができます。

4. スプール・ファイルの復元(RSTSPLF)

スプール・ファイルの復元(RSTSPLF)は
スプール・ファイルの保管(SAVSPLF)によって 保管されたスプールを復元します。

【解説】

スプールは個別に復元することもできますし、まとめてすべてを復元することもできます。
いずれの場合でも「保管された出力待ち行列」を正しく指定することが必要です。

5. 出力待ち行列の保管処理(WRKSAVOUTQ)

スプール・ファイルの保管(SAVSPLF)で
ファイル名やジョブ情報をメモしておいて 個別に指定するのは面倒な作業です。
日常、WRKOUTQ の画面に見慣れている方なら
WRKOUTQ の画面のオプションで指定できないものかと考えても不思議ではありません。
出力待ち行列の保管処理(WRKSAVOUTQ)はそのような要望に応えて用意されています。
WRKSAVOUTQ を使えば、出力待ち行列(OUTQ)を最初に指定するだけで
後は 1=保管 というオプションの打鍵によってのみ保管操作を行うことができます。
次はその実際の様子を示しています。

6. 出力待ち行列の復元処理(WRKRSTOUTQ)

前述の WRKSAVOUTQ と同じように 出力待ち行列の復元処理(WRKRSTOUTQ)も
保管してある *SAVF に対して一覧でスプールの内容を表示して
オプション 1=復元 を指定するだけで個別にスプールを復元することかできます。

7. スプールの複製 (DUPSPLF)

スプールの複製 (DUPSPLF) は 既存の印刷スプールと同じスプールを複製して
新しい印刷スプールを作成します。

【解説】
スプール・ファイル 複製元とスプールの名前
新しいスプール名 複製してできる新しいスプールの名前
必ず複製元のスプールとは異なる名前のスプール名を指定してください。
ジョブ名
   ユーザー
   番号
複製元のスプールのジョブ情報のジョブ名を指定してください。
   そのユーザー名を指定します。
   そのジョブ番号を指定します。
出力待ち行列
   ライブラリー
複製される印刷スプールを保管する出力待ち行列 (OUTQ) と
   それが保管されているライブラリーの名前を指定してください。
スプール・ファイル番号 複製元のスプールのスプール番号を指定します。
コピー枚数 新しく複製するスプールの印刷部数を指定します。
*SAME を指定すると複製元と同じ部数のスプールが作成されます。