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プリンタ・セッションとのちがいを理解する
それでは従来のプリンタ・セッションとどのようにちがうのでしょうか?
従来のプリンタ・セッションの動作原理
従来のプリンタ・セッションの印刷方式はこの図のように
SCS印刷ストリームをPDTファイルに従って各プリンタ・メーカーの
印刷ストリームに変換するという方法です。
PDTファイルとは PDFファイルというソースから
コンパイルして生成するプリンタ変換テーブルのことです。
各プリンタ・メーカーでは CANONでは LIPSという形式で、
EPSONでは ESC-Pという形式の印刷ストリームを扱います。
この方法ではプリンタ・メーカーが増えればPDTファイルも
それに合うようなPDTを用意しなければなりません。
プリンタ・セッションが CANNON とは相性がよいなどと言われるのはPDTの精度の問題です。
このようにしてみればプリンタ・セッションというのはいかに
非効率的なシステムであったかおわかりのことと思います。
ところで WindowsはMicrosoftが定めたスプール・ファイルの形式があります。
それが MS-EMF (=Enhanced MetaFile:拡張メタ・ファイル)と呼ばれるスプール・ファイルです。
この図のように MS-EMF だけはすべてのプリンタ・メーカーに共通であり
すべてのプリンタ・メーカーは内部でMS-EMFから
LIPSやESC-Pに変換する機能を持っています。
そこでSCS印刷ストリームを各社の印刷ストリームに変換するのではなく
すべてに共通するMS-EMFに変換してやればどのようなプリンタにでも印刷することができるようになります。
これが the Windowsライターの機能です。
MS-EMFに変換すれば世界中のプリンタで印刷することができるようになったのと同じです。
プリンタ・セッションの方式では特定のメーカーのプリンタにしか印刷することができませんが
MS-EMFに変換するというthe Windowsライターの方法なら
プリンタ・メーカーを問うことなくすべてのプリンタでしかも高品質での印刷が期待できます。
プリンタ・セッションの方式ではプリンタ・メーカーが増えたり
プリンタ・メーカーの印刷方式が変わるとPDTも保守しなければなりません。
しかしMS-EMFによる印刷であればMS-EMFから各プリンタへの変換は
プリンタ・メーカーが自社で開発して変換しますので
MS-EMFさえ出力しておけば保守の必要はありません。
MS-EMFから各プリンタへの変換は印刷専門のメーカーが
自社の印刷のために威信をかけて行いますので高品質な印刷を期待することができます。
これまでのプリンタ・セッションの印刷方式に比べてthe WindowsライターによるMS-EMFによる印刷は
いかに汎用的で拡張性に富んでいるかおわかりになったと思います。