ブラウザ表示とはブラウザによって印刷待ち行列(OUTQ)および印刷スプールを
一覧表示して操作する画面のことを意味し、この機能のことを On the Web と呼びます。
On the Web機能は従来のクライアント/サーバー・モデルであった
クライアント・モジュールの後継となるものであり
従来のクライアント・モジュールに比べて
- 圧倒的にパフォーマンスで快適な速さ
- 見やすくわかりやすい操作性
- 画面全体の情報量の多さ
- カラフルでビジュアルなスタイリッシュな機能デザイン
- 細かなところまで配慮されたユーザビリティの向上
- 将来的な拡張が容易
- ユーザーへの配布が不要でありシステム室の保守の容易性
などにおいて圧倒的に優れています。
数年おきにWindowsがバージョン・アップすることを考えると
クライアント・モジュールはできるだけ廃止の方向にあることが望ましいと言えます。
ブラウザ・ベースであればシステム室からの配布や再配布の手間も要らず、
Windows のバージョン・アップに左右することはありません。
ブラウザ表示までの手順
1. IBM i 上でSpoolライターのサーバーを起動する。
5250エミュレータで
SPOOLWTR/STRSPLSVR
+ [F4キー]
または
GO SPOOLWTR/SERVER メニューで
「1. SPOOL-WRITER サーバー・デーモンの開始 」を選択
※ 毎朝、自動的にサーバーを起動するようにスケジュールするには
こちらを参照してください。
2. SpoolライターのHTTPサーバーが起動されていることを確認する
GO SPOOLWTR/SERVER メニューで「F5= 活動状況」を押すと
SpoolライターのHTTPサーバーの活動状況を確認することができます。
3. ブラウザを起動する
PCクライアントのブラウザを起動してください。
使用可能なブラウザの種類はこちらで
URL アドレス入力欄に
http://(IBM i のIPアドレス):3007
と打鍵して Enterキーを押してください。
3007 とはSpoolライターのPORT番号です。(変更可能)
PORT 3007 をファイヤーウォールで制限している場合は
御社のネットワーク管理者にご相談ください。
4. Spoolライターのホーム・ページの表示
正常に接続が完了すれば下記のようなSpoolライターのホーム・ページが表示されます。
正常に表示されない場合は
-
ブラウザのエラー・メッセージを確認して原因を調査してください。
(必ずエラー・メッセージの内容はお読みください。) -
プロキシ・サーバーを利用している場合は
ブラウザのプロキシ・サーバーの利用をはずしてください。
Spoolライターのサーバーが正しく待機していても
接続できない場合の原因の大半はプロキシ・サーバーによるものです。
5. 印刷待ち行列(OUTQ)の表示
「IBM i に接続を開始する」アイコンを押してIBM i との接続を開始してください。
Basic認証によるログイン・ダイアログが表示されます。
IBM i に既に登録済みのユーザー・プロフィールとパスワードを入力して
ログインしてください。
左側のペインに IBM i の印刷待ち行列(OUTQ)を含むライブラリーの一覧が表示されます。
さらにライブラリーを開けば印刷待ち行列(OUTQ)を表示することができます。
OUTQ にライターが関連づけられているときはライターもあわせて表示されます。
初めてSpoolライターを使用される場合は、
ここですべての OUTQ が表示されてしまうことを懸念されるかも知れませんが、
表示されるOUTQの一覧は WRKSPLAUT というコマンドによって制限することができます。
6. 印刷スプールの一覧表示
左ペインよりOUTQをクリックして選択すると中央ペインに印刷スプールの一覧が表示されます。
各スプールをクリックすると印刷プレビューが下部ペインに表示されます。
表示
印刷スプールを ダブル・クリックすると、
そのスプールがTEXT変換されて内容を閲覧することができます。
つまりスプールの内容が表示されます。
最初にログインしたユーザー・プロフィールに特殊権限 *SPLCTL があれば
すべてのスプールの内容を表示することができます。
特殊権限 *SPLCTL がないユーザー・プロフィールでログインしているのであれば
自分が作成したスプールの内容は表示することができますが、
他人が作成したスプールの内容を閲覧する権限はありません。
そのため WRKSPLAUT (印刷待ち行列権限の処理) でユーザー別にOUTQの表示を制限する必要があります。
変換
印刷スプールの一覧でスプールをクリックしてツール・バーのボタンを押すと
テキスト変換としてスプールを表示したり、PDF, Excel, HTML および Word に変換することができます。
またメール送信としてスプールをテキストやPDFの添付ファイルでSMTPメール送信することもできます。
またShiftキー+左クリックやCtrlキー+左クリックで複数のスプールを選択して
同時にPDF化などをおこなうことも可能です。
操作はWindows Explorerなどの選択機能と同じです。
Shiftキーで範囲選択
どれか一つのスプールを選択して、
そこから別のスプールをShiftキーを押しながら選択すると
そこまでの範囲のスプールをまとめて選択することができます。
Ctrlキーで個別選択
どれかひとつのスプールを選択して、
そこからCtrlキーを押しながら別のスプールを次々と選択することによって
任意の複数のスプールを選択することができます。
右ボタンによるフローティング・メニュー
各スプールに対して右ボタンを押してメニューを表示して操作を選択することができます。
保管/復元
ツール・バーにはスプールを簡単に保管/復元できる機能が装備されています。
印刷
スプールをクリックして選択してツール・バーの印刷ボタンを押すか、または
スプールを右ボタンでメニュー表示して印刷を指示するとスプールを印刷することができます。
On the Web の印刷機能は LPR によるPDF印刷です。
PDFに変換して印刷しますのでAPW罫線、倍角文字、外字やバーコードも印刷することができます。
印刷は On the Webを表示しているPCに通常使うプリンタとして
設定されている最寄のプリンタに印刷出力されます。
従って、事前にこのPCのLPDを起動しておく必要があります。
印刷はTCP/IPネットワーク経由で接続されているならばインターネット経由でも印刷することができます。
例えば東京本社のインターネット公開されているIBM i に対して
上海の工場からSpoolライターで接続して上海の工場のプリンタに印刷出力することができます。
この場合、上海の工場のPCには何も導入しておく必要はありません。
上海の工場のPCにはブラウザがあり、インターネットに接続が可能であれば十分です。
印刷スプールの一覧表示
印刷ビューは単なるWRKOUTQの再現ではありません。
Windows や MS製品に見られるような様々なユーザビリティの向上が図られた機能を持っています。
印刷ビューの最上部の見出し行
印刷スプールの表示順序
印刷スプールが表示される順序は WRKOUTQ のように昇順ではなく降順です。
例えば MS-Outlook などの一覧表示も昇順ではなく降順に表示されています。
つまり最後に印刷出力された印刷スプールが表示上、一番上に表示されます。
WRKOUTQ のように昇順に表示される場合は ユーザーは WRKOUTQ で
表示してから F18キーを押して最下部を表示して、自分が今出力したスプールを探すはずです。
このようにつねに最新のスプールを探すのであれば最新のスプールが最上部にあるほうが
自然であり、最下部を検索する手間も不要です。
Spoolライターの On the Web表示もこのような考え方から
最新のスプールが常に最上部に表示されるように降順の表示になっています。
表示件数
件数の多いOUTQに対して同時に表示できるスプールの最大件数は 500件です。
次のを押せば次の500件が表示され、戻る
を押せば前の500件の表示に戻ります。
このようにつねに 500件表示でスライドすることによって資源の少ないPCであっても
十分、スプール全体を眺めることができるように配慮されています。
また最大500件表示とすることで快適なパフォーマンスを得ることができます。
絞り込み条件
この虫眼鏡アイコンを押すと 絞込み条件を指定することができます。
絞込み条件に指定する項目を入力して「この条件で再表示」ボタンを押すと絞込み検索の結果が表示されます。
例えばファイル名に「QSYS」を指定するとファイル名が「QSYSPRT」や「QSYSDEBUG」などの
スプールだけが選択されます。このように頭の一部だけを指定することもできます。
表示の並び替え
絞込み条件ダイアログで「ソート」のコンボボックスの中から項目を選択すると
その項目の昇順/降順に表示は並び替えられます。
CCSID
プレビューのCCSID
画面最下部のプレビュー表示に使用されるCCSID は *SPLF (=スプールの属性)ですが
必ずしも *SPLF では正しく表示されない場合があります。
このようなときにはコンボボックスをプルダウンして適切なCCSIDを選択してください。
変換時の CCSID の指定
メニュー・バーから[ツール] - [オプション]を選択するとテキスト変換、PDF変換、Excel変換、
HTML変換、Word変換の変換時におけるCCSIDを指定することができます。