新しいオーバーレイ印刷の設計

新しく専用用紙の帳票を設計して、オーバーレイ印刷として
利用するまでの手順を示します。

Illustrator を使ってもできますが、ここでは馴染みのある
MS-Excel を使って帳票設計する方法を紹介します。

新規作成のシナリオ

新規作成のシナリオ

(1) Excel 、Word や帳票設計ツールで帳票を設計する

Excel,Word または FileMaker などの帳票設計ツールで
用紙フォームを印刷ファイル(PRTF)用にインチ単位で正しく
設計すると、基本的に印刷とのずれは生じません。
特殊なサイズの用紙であっても、そのサイズは測定ではなく
数値を正確に与えて設計すれば測定誤差による
印刷ズレは発生することはありません。

潟Iフィスクアトロではお客様に代わりまして
印刷帳票専用用紙の設計を承ります。
くわしくは弊社ヘルプデスクまでご相談ください。

(2) Excel のイメージを ペイントで JPEG に変換する

Excel のフォームを選択して Ctrl + C でコピーします。

次にペイントを起動して Ctrl + V で画像を貼り付けます。
または【編集】-【貼り付け】 で貼り付けることができます。
そのファイルを名前をつけて保存で、拡張子 .JPG として保存します。

【参考】https://support.microsoft.com/ja-jp/help/882229

(3) JPEG として IFS にアップロードして保管する。

(2)で保存した JPEG ファイルを IBM i の IFS に FTP を使って
アップロードします。
DOS コマンド・プロンプトによる FTP の使用方法は
こちらを参照してください。
これで IBM i に新しい用紙イメージを JPEG として
保管することができました。

(4)DDS ソースに OVERLAY キー・ワードを追加する。

先の「オーバーレイ印刷への移行と保守」では
CVTSPLF コマンドの実行時に、動的に FRONTOVL(前面オーバーレイ)パラメータを
指定する方法を紹介しました。
その方法以外に、ここでは印刷ファイル(PRTF)の DDS ソースに
OVERLAY キー・ワードを追加する方法を紹介します。

DDS ソースに OVERLAY キー・ワードを登録しておいて
CRTPRTF ではなく CRTEXPRTF (拡張印刷ファイルの作成)によって
印刷ファイルを作成しておいてから
実行して出力された印刷ファイルのスプールを CVTSPLF によって
*PDF に変換して印刷または保存することができます。

この方法は DDS ソースの中に OVERLAY キー・ワードによって
どの用紙フォーム・イメージと重ね合わせ印刷するのかが
わかりますので、後任者や第三者にとってもわかりやすい記述であると
言えます。

【例】
       A          R #HED1                                                      
       A                                      OVERLAY('/SPOOLWTR/URIKAKE.JPG' -
       A                                       0.02 0.5)

Spool ライター Ver5.0 の CRTEXPRTF (拡張印刷ファイルの作成) コマンドで
印刷ファイル(PRTF)を作成してください。

DDS ソースではなく CRTEXPRTF コマンドの FRONTOVL (前面オーバーレイ)パラメータに
オーバーレイ印刷を指定することもできます。

(5)印刷プログラムを実行する

印刷プログラム(RPG または COBOL)を実行して印刷スプールを出力します。
ただし実行ジョブの印刷待ち行列は、STRPRTWTR によってプリンターに
繋がっていない OUTQ に設定しておいてください。
(【例】 OUTQ: QPRINT )

(6) CVTSPLF によって PDF 化してみる

CVTSPLF コマンドを使って出力されたスプールをPDF化して
IFS の作業域に PDF を作成してみます。

【例】
            CVTSPLF SPLF(SRL010P) JOB(725228/QTR/QPADEV003H) SPLNO(6) OUTPUT(*PDF)
                 TOSTMF(DENPYO.PDF) TODIR('/TEST')  

ジョブ名をコピーするのは面倒なので WRKOUTQ で該当スプールを
「2= 変更」で選択してスプールの属性を次のように表示させます。

                                 スプール・ファイル属性変更  (CHGSPLFA)                   
                                                                             
選択項目を入力して,実行キーを押してください。                               
                                                                             
スプール・ファイル  . . . . . . > SRL010P        名前 , *SELECT              
ジョブ名  . . . . . . . . . . . > QPADEV003D     名前 , *                    
  ユーザー  . . . . . . . . . . >   QTR          名前                        
  番号  . . . . . . . . . . . . >   725269      000000-999999                
スプール・ファイル番号  . . . . > 5             1-999999, *ONLY, *LAST, *ANY 
ジョブ・システム名  . . . . . . > S652EA92       名前 , *ONLY, *CURRENT, *ANY
作成されたスプール・ファイル :                                               
  作成日  . . . . . . . . . . . > 20180220       日付 , *ONLY, *LAST         
  作成時刻  . . . . . . . . . . > 163141         時刻 , *ONLY, *LAST         
印刷装置  . . . . . . . . . . .   *OUTQ          名前 , *SAME, *OUTQ         
印刷順序  . . . . . . . . . . .   *SAME         *SAME, *NEXT                 
用紙タイプ  . . . . . . . . . .   *STD           用紙タイプ, *SAME, *STD    
コピー枚数  . . . . . . . . . .   1             1-255, *SAME                 
印刷の再始動  . . . . . . . . .   *STRPAGE       数値 , *SAME, *STRPAGE...   

マウスでスプール・ファイル 〜 スプール番号までを範囲選択して
5250エミュレータのツール・バーのコピー・ボタンを押すかまたは
【編集】-【コピー】 によって選択した範囲をコピーします。

次に SPOOLWTR/CVTSPLF +【F4キー】によって CVTSPLF をプロンプト表示させます。

                      スプール・ファイル変換  (CVTSPLF)                  
                                                                         
選択項目を入力して,実行キーを押してください。                           
                                                                         
スプール・ファイル  . . . . . .   QPRINT         名前                    
ジョブ名  . . . . . . . . . . .   *              名前 , *                
  ユーザー  . . . . . . . . . .                  名前                    
  番号  . . . . . . . . . . . .                 000000-999999            
スプール番号  . . . . . . . . .   *ONLY         1-9999, *LAST, *ONLY     
出力  . . . . . . . . . . . . .   *TEXT         *OUTFILE, *HTML, *PDF... 

カーソルがスプール・ファイルに位置づけられている状態のままで
5250エミュレータのツール・バーの貼り付けボタンを押すかまたは
【編集】-【貼り付け】によって選択した範囲を貼り付けます。

(7) IFS に保管された PDF を確認する

IFS に生成された PDF を FTP でダウンロードして確認します。

繰返しFTP でダウンロードして確認するのが面倒であれば
CLP に組み込んで PC オーガナイザーで見ることができるように
工夫すればよいでしょう。
Excel で正確な行ピッチの元に作成したフォームであれば
テスト回数は多くないはずです。